韓国大統領に李明博氏が当選 10年ぶり保守政権に
2007年12月19日21時08分
第17代韓国大統領選挙は19日投票、即日開票され、保守系で最大野党ハンナラ党候補の李明博(イ・ミョンバク)氏(66)が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の流れをくむ大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏(54)らを破って当選した。10年ぶりとなる与野党の政権交代が実現する。財閥系企業の社長経験もある李氏は「CEO(最高経営責任者)大統領を目指す」と訴え、景気回復を強く望む有権者の支持を集めた。来年2月25日に就任する。
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投票所に入る李明博候補(左)と、妻の金潤玉さん=19日午前7時7分、韓国・ソウル市で |
貧富の格差拡大や不動産高騰に効果的な手を打てずに盧政権の人気が低迷するなか、李氏は公約に「経済成長率7%、国民所得4万ドル(約450万円)、経済規模世界7位入り(現在は11位)」という「747政策」を掲げた。
南北関係では、人道問題を中心とした対話には今後も積極的に応じるとしており、金剛山観光事業や開城工業団地は継続する。ただ、盧政権が北朝鮮との間で合意した様々な協力事業を「一つ一つ点検する」と主張。北朝鮮への支援に相互主義を導入し、非核化と改革・開放を迫る方針だ。
また、盧政権でぎくしゃくした米韓関係の修復を目指す。対日関係では「未来志向を基本に、歴史認識などの懸案は是々非々で臨む」としている。日本人拉致問題について李氏はほとんど公式に言及していないが、外交ブレーンは「重要性は理解するが、核問題もある。6者協議への協力を日本に求めたい」と話す。
李氏は選挙戦が始まる前から各種世論調査で優位に立ったが、過去に株価を不正操作した疑惑が浮上。対立陣営は徹底して李氏の道徳性を攻撃した。投票2日前の17日、疑惑を再捜査する特別検察官任命法が成立。盧大統領が任命する特別検察官によって、李氏は大統領就任前に取り調べを受ける可能性があるが、今回の圧勝で強引な捜査は難しいとの見方が出ている。ただ、来年4月の総選挙に向け、激しい政治攻勢にさらされそうだ。
選挙戦は李、鄭両氏にハンナラ党を離党して無所属で出馬した李会昌(イ・フェチャン)氏(72)を交えた、事実上の三つどもえ対決となった。鄭氏は盧政権と一線を画しつつ、与党系の他候補との一本化も不調に終わり、逆風をかわせなかった。前々回、前回の大統領選で惜敗した李会昌氏は李明博氏との差別化に失敗した。
李明博氏は1941年、大阪生まれ。3歳で韓国に移り、高麗大を卒業。財閥・現代グループの現代建設社長やソウル市長を務めた。
中央選挙管理委員会によると、有権者は約3765万人。暫定投票率は62.9%で、過去最低となる見込み。
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